■始まり

 梟嘴という名の少年が住む村に、ある日、恐ろしい怪物が姿を現すようになった。
 村人の誰よりも巨大で屈強な体、角のある頭に一つの瞳。
 鬼と呼ばれたその怪物は夜ごと現れ、畑の作物を奪い去っていく。
 恐ろしい化け物に対峙できる度胸のある村人はおらず、ただ家の中で震えながら、外を覗き見するばかり。
 そんなある日、梟嘴は外部に助けを求めようと旅に出た。
 しかし、行けども行けども助っ人は見つからず……薄暗い森の中でついに力尽き倒れたとき、彼は出会ったのだ。
 橙羽と名乗る、一人の少女に。

 橙梟伝とは、橙羽と梟嘴にまつわる伝聞。
 橙羽が梟嘴に様々な事物を伝える物語。
 橙色の梟に導かれた少年の冒険談-Saga-である。

■ページの先頭へ戻る


by Acid-Mist