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■堕天の子
その世界には、多くの者から「堕天の子」と呼ばれる存在があった。
曰く、「堕落した天使の生まれ変わりである」
曰く、「魔獣と人とが成した混血児である」
曰く、「人の姿でありながら人の外にある力の持ち主である」
諸説はあれど、結びの文句は同じだ。
曰く、「歳を経て死を迎えた堕天の子は悪魔として蘇る」
それ故に、堕天の子と断定された子供は、幼い内に命を奪われる事が多かった。
■砂魔女の物語
主人公ハルストラ・フランクロイドは、人である父母の間に生まれながら非凡な力があったために、堕天の子と呼ばれるようになった。
他の堕天の子と同じように幼い頃から命を狙われ続けてきたハルストラは、二十歳になる日を目の前に控えたある時期、人間世界を離れ、魔界へ移住したいと願い出る。
それを受けた魔界の政庁は、彼が魔界へ移住する事に対して、一つの条件を出した。
“これより半年の間に、四人の魔女を戦力に足ると判断できるレベルに育て上げること”
今は未熟な魔女たちを見事に指導することが出来たならば、魔界への移住を認めるという。
こうして、ハルストラと四人の魔女の共同生活が始まるのだった――
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